「ゼロエミ電源比率44%」の高い壁

 一方で、原子力発電の未稼働分を補うために、再生可能エネルギー導入量は、現在のベストミックスの想定である64GWより増やさなければならないのは必至の情勢である。

 パリ協定に基づき政府の掲げた温室効果ガス削減目標を達成するためには、原子力を含むCO2フリー電源(ゼロエミッション電源)を44%程度まで稼働させる必要がある。現実的な原子力発電の稼働状況を考えると、2030年時点で太陽光と風力発電をそれぞれあと100GW程度まで積み増す必要があると思われる。

 しかし、図6の単価別の円グラフを見ると、売電単価32円/kWhを境に、メガソーラーの稼働容量は極端に減っている。これから心配されるのは、政府の温暖化ガス削減目標を達成するには、太陽光と風力発電が重要であるにもかかわらず、今後10円台/kWhの売電単価で稼働容量を積み上げることができるのかどうか。風力発電も洋上風力という有望立地があるものの、コストにおいて限界があるように思える。

 FIT制度により、バブルと言われた太陽光発電の建設ラッシュを支えた、36円・40円/kWhの高い売電単価でほぼ50GWを積み上げた。しかし、温暖化対策上、必要になる100GWは、いままでの積み上げの約2倍の容量が必要ということを意味する。

 世界各国で再エネ普及のためのコスト負担が問題となっているなか、これ以上の負担を国民に強いることなく、あと12年で100GWまで積み上げる方法につき、経済産業省の手腕に期待したい(図7)。

図7●2030年エネルギーミックス政府目標
図7●2030年エネルギーミックス政府目標
(出所:経済産業省)
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