グリーンボンドで石炭・原子力を置き換え

 「グリーンボンド」とは、企業や地方自治体などが、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券とされる。

 環境省の「グリーンボンドガイドライン2017年版」によると、(1)調達資金の使途が、グリーンプロジェクトに限定され、(2)調達資金が確実に追跡管理され、(3)それらについて発行後のレポーティングを通じて透明性が確保された債券――とされている。

 グリーンボンドは毎年約810億ドルという巨額の資金調達手段となり、投資家にとってもESG(環境・社会・ガバナンス)投資の一環として、ますます投資しやすい商品となっている(図5)。

図5●グリーンボンドの年間発行額
図5●グリーンボンドの年間発行額
(出所:環境省)
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 この資金の流れはもはや無視できず、今後再生可能エネルギーはグリーンボンドとは無縁ではいられないだろう。再生可能エネルギーが原子力や石炭火力を代替していくには、巨額の資金調達ルートが必要である。グリーンボンドによる資金調達は、年金基金など優良巨大投資家にアプローチする手法として定着していくだろう。

 今回のコラムでは、再生可能エネルギーが地球温暖化対策の主要手段として採用されたことを概観した。その前提として、地球温暖化防止はパリ協定によって、具体的に数値目標の設定が各国に法的に義務付けられたことが重要なモーメンタムとなっている。

 また、再生可能エネルギーに対して、原子力や石炭火力発電が逆風にさらされている現状、巨大な再生可能エネルギープロジェクトに対して、ファイナンスしやすいフレームワークが活況となっていることを取り上げた。これらを見ると再エネが主要電源となり、ゼロエミッション社会を実現する未来は、そう遠くないと思えてくる。