PR

 東芝デバイス&ストレージ(以下、東芝)は、0.8Vの低電圧で動作する5GHz帯の受信回路を開発した(ニュースリリース)。次世代無線LANのIEEE 802.11ax向けSoCへの搭載を狙った回路である。

 同社によれば、802.11ax向けSoCでは混雑した無線環境においても現行の4倍の平均伝送速度を実現するために、デジタル処理量が膨大になる。そのため、このSoCは低電圧動作の微細プロセスで製造される。ところが、低電圧化によってRF受信回路などのアナログ回路では、特性の確保が難しくなる。

 そこで東芝では、新たな回路技術を開発して、0.8Vの低電圧でも802.11axの要求仕様を満たせる5GHz帯の受信回路を試作した。この回路を0.8Vで動作させて256値QAM変調信号を受信したところ、EVM(Error Vector Magnitude)が-36dBであり、「802.11axで採用される1024値QAM信号を受信できる性能が得られることを確認した」(同社)。

802.11axに必要な性能を実現。東芝のスライド。
802.11axに必要な性能を実現。東芝のスライド。
[画像のクリックで拡大表示]

 当該受信回路のチップ面積は0.55mm2、消費電力は36mWだった。「チップ面積と消費電力のどちらも商用の802.11ax向けSoCの要求を満たす」(同社)。同社によれば、802.11ax SoC実現のハードルだった低電圧動作の5GHz帯の受信回路を開発したのは今回が初めてである。同社は同回路の実現技術に関して、2017年9月11日~14日にベルギーで開催の「43rd European Solid-State Circuits Conference(ESSCIRC 2017)」で発表した(論文ID:1028)。

試作チップ。東芝のスライド。
試作チップ。東芝のスライド。
[画像のクリックで拡大表示]