PID現象と見られる400枚のパネルを交換

 実は、運用面ではすでにトラブルがあった。稼働後、1年半ほど経った時点で、「PID(potential-induced degradation)現象と見られる出力の急低下で、約400枚のパネルを交換した」と、丸米部長は打ち明ける。O&M(運営・保守)を委託している九電工が、PCSごとに発電量を監視しているなかで気付いたという(図5)。

図5●稼働後、1年半後にパネル約400枚を出力低下で交換した
図5●稼働後、1年半後にパネル約400枚を出力低下で交換した
(出所:日経BP)
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 PID現象とは、特定の条件下で太陽光パネルに高い電圧がかかり、出力が大幅に低下する不具合。2005年に中国のパネルメーカーが初めて報告し、その後、欧米のメガソーラーで同様の現象が報告され、問題となってきた。2010年以降、各国で研究が本格化し、現在、流通しているパネルのほとんどはPID対策を設計に織り込んでいるとされる。

 2014年11月26日、九電工が定期点検を行った際、出力異常のパネルを約400枚見つけ、翌日、なかはらに報告した。同年12月18~22日にかけ、パネルの交換作業を行った。丸米部長は、「交換作業を始める前にメーカー担当者から説明を受けた。パネルの交換完了まで、メーカーと九電工がすべて行った。発電損失の補償も受けた」と話す。

 この点に関し、パネルを供給したハンファQセルズジャパンでは、「出力の低下したパネルのすべてを分析してないが、はんだ不良などの不具合も見られ、いわゆるPID現象かどうかは特定できていない。いずれにせよ、あってはならないことであり、発電事業者にはたいへん迷惑をかけてしまった」(ハンファQセルズジャパン・広報担当者)との見解だ。