FITへの移行で風力の収益が改善

 また、FRP(繊維強化プラスチック)製のブレード(羽根)の損傷も激しいという。交換すると経費がかかるため、「工夫して修理しながらなんとか使っている」という。

 ただ、FITの施行に伴い、既存の風力発電設備の買取価格も引き上げられたことで、事業面では一息ついたという。それまで11円/kWh程度だった買取価格は、19.5円/kWh(税込み)に上がった。「従来の買取価格のままだったら、20年間での投資回収さえ、厳しかった」と、丸米部長は振り返る。

 「壱岐芦辺風力発電所」の事業主である壱岐クリーンエネルギーは、芦辺町となかはらグループの出資で設立した第3セクター方式で、総事業費の4億3300万円のうち、半分を国から助成を受けた。そのためFITに移行した際に、買取価格は助成なしの場合(22円/kWh)に比べ、やや低くなる。それでも買取価格は2倍近くなったことで収益性は大きく改善した。

 電力系統の規模が小さく、独特の気候条件を持つ離島での再生可能エネルギー事業には、本土にはない難しい面もある。ただ、系統制約などは、いずれ本土が直面する課題を先行して体験するに過ぎない。“課題先進地域”として経験は、再エネビジネスにとって貴重な情報であり、そこにビジネスチャンスも潜んでいる。

●発電所の概要
発電所名壱岐ソーラーパーク
住所長崎県壱岐市芦辺町国分本村触
発電事業者壱岐開発(なかはらグループ)
土地所有者壱岐生コン(なかはらグループ)
設置面積2万8600m2
出力パネル容量2.088MW
年間予想発電量約200万kWh
EPC(設計・調達・施工)
サービス
なかはら、九電工
O&M(運用・保守)九電工
太陽光パネル韓国・ハンファQセルズ(290W/枚)・7200枚
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、500kW機×4台
架台リヒテンシュタイン・ヒルティ(HILTI)製
着工日2013年2月
総事業費6億5000万円
売電開始日2013年6月20日
買取価格40円/kWh(税別)