防草シートを実証的に導入

 そこで現在、久米南サイトでは、一部のパネル下に防草シートを施工して、その効果を検証している。ダイオ化成(東京都中央区)製を採用した。

 防草シートの種類には、縦糸と横糸を編んだ「織布タイプ」と、網目のない「不織布タイプ」がある。織布タイプは、柔らかいため地面に馴染みやいが、網目から草が貫通したり、ほつれたりする欠点がある。一方、不織布タイプは、草の突き抜けに強いが、柔軟性に劣るため地面に馴染みにくく、透水性が低いことから水や土が溜まって、徐々にシートの上に草が生えたりすることがある。

 導入した防草シートはポリオレフィン系の「織布タイプ」で、高密度に編まれているのが特徴という。施工後、約2年経つがこれまでのところ、想定した防草効果を発揮しており、草の突き抜けなどもほとんど見られない(図7)(図8)。

図7●防草シート施工前のパネル下の様子
図7●防草シート施工前のパネル下の様子
(出所:パシフィコ・エナジー)
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図8●織布タイプの防草シートを採用した
図8●織布タイプの防草シートを採用した
(出所:パシフィコ・エナジー)
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 このほか、O&Mで厄介な課題が、発電所敷地内への野生動物の侵入という。美作サイトではシカ、久米南サイトでは、イノシシの侵入が確認されている。イノシシはフェンスの下を掘って穴を空けてしまうという。

 これまで、発電設備自体への損傷など、直接的な被害はないものの、害獣対策として市販されている「オオカミの尿」を導入し、侵入経路と見られる場所にまいて臭いによる獣避けの効果を検証しているという。