日射強度、発電量が上昇基調で推移
こうした工夫の効果は、稼働してから約6年の間、どのように現れているのだろうか。「発電量に、はっきり現れているように感じる」と言う。
近隣にある同規模の連系出力の太陽光発電所では、年間発電量が約180万kWhに留まるのに対して、石部のメガソーラーは200万kWh以上で推移しているという。
ここには、アレイ間隔を60cmに詰めたことで、パネルの設置枚数が増えた効果のほか、舗装面への直射を減らしてパネルの温度上昇を抑える効果も寄与していると見ている。
湖南市のメガソーラーでは、2013年2月に稼働して以降、2016年ころに一時的に下がった時期を除き、発電量は年々増える傾向にある。これは、滋賀県南部でこの期間の日射強度が高まっている傾向にあることが大きく、月ごとの「日射強度と発電量の相関」のデータから把握している(図5)。
もう一つ、発電量を高める変化があった。本業のアスファルト材の生産設備が更新され、2018年夏に新たな生産設備が稼働したことによる(図6)。
実は、それまでの生産設備は、メガソーラーに近い位置に立っていた。このために、メガソーラー東側の太陽光パネルの一部は、午前中にこの生産設備の影がかかっていた。
新たなアスファルト材の生産設備は、メガソーラーから離れた場所に立ち、太陽光パネルに影を落とすことがなくなった。