3つの作業でPCSを停止

 抑制指令の実施日に、メガソーラーの運転を停止する時間帯は、午前9時から午後4時と決まっている。九電から「指令」が出されるのは、その前日の午後4時で、自動音声電話と電子メールで届くという。

 なかはらグループでは、出力抑制に関する作業を、丸米真司・取締役工務部部長とメガソーラー担当者の二人で対応している。自動音声電話は担当者が受け、その場で九電に着信連絡を返信する。メールは、二人が受け取るようになっており、翌朝、どちらがサイトに出向いて運転停止の作業を行うか、その都度、打ち合わせているという。

 実際に停止させる時刻については、事前に九電と打ち合わせており、9時より少し前、具体的には8時半から40分には停止作業を行うことになっているという。

 出力抑制は、土日や休日に実施されることも多く、担当者にとっては負担も大きい。ただ、「抑制指令への対応者も多くしてしまうと、人任せになって忘れてしまうリスクもある。二人に絞って着実に抑制作業を実施するようにしている」と丸米部長は言う。

 メガソーラーの運転を停止すること自体は、それほど時間はかからないという。抑制実施日の朝8時過ぎにはサイトに到着し、パワーコンディショナー(PCS)の筐体(エンクロージャー)を開けて中に入り、PCSを停止させる。

 その際の作業は3つ。まず遠隔監視用の通信端末をオフにしてから、PCS前部にあるタッチパネルから「停止」操作を行う。その後、PCSの扉を開けて、遮断器のレバーを操作して機械的に回路を遮断する(図3)(図4)(図5)。運転再開は、この操作を逆に行う。

図3●遠隔監視のための通信端末
図3●遠隔監視のための通信端末
(出所:日経BP)
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図4●PCS前面にある操作パネル
図4●PCS前面にある操作パネル
(出所:日経BP)
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図5●PCSの遮断器
図5●PCSの遮断器
(出所:日経BP)
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 「壱岐ソーラーパーク」は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の定格出力500kW機を4台導入している。従って、1.96MWの連系出力をすべて停止する場合には、この作業を4回、行うことになる(図6)。

図6●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPCSを設置した
図6●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPCSを設置した
(出所:日経BP)
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 実は、2016年春に「壱岐ソーラーパーク」に対して3回出された抑制指令では、4台のPCSをすべて停止させていた。だが、3回のうち2回の抑制指令では、需給バランス上、必要な抑制量は1MWに満たなかった。「そこで、九電に対して、必要な抑制量が小さい場合、4台のPCSのうち2台を停めるというパターンにできないか要望し、2017年春には、全停止のほか、半分の停止パターンも採用してもらった」(丸米部長)という。

 その結果、2017年春に同サイトに出された13回の抑制指令のうち、PCS・4台の全停止は3回だけで、残り10回はPCSを2台停止して、稼働設備を半減することで済んだという。