影に合わせたストリングを構成

 ただし、設置角を変え、より多くのパネルを並べると、二つの課題が出てきた。

 一つは、パネル上に積もった雪が落ちにくくなるために、20度よりも10度の方が、積雪による荷重の条件を厳しく見積もる必要が出てくることである。

 これに対して、今回採用した基礎と架台の組み合わせでは、設置角が20度から10度に変わっても、コストを変えずに、対荷重性の条件の変化も満たせたという。ただし、基礎や架台のメーカーのノウハウで実現できた要因が大きく、他の一般的なメガソーラーの場合、同じように対応するのはあまり勧められないとしている。

 もう一つは、アレイの間隔が狭くなり、時間帯によっては前のアレイの影が、後ろのアレイの一部にかかることである。影によって、パネルごとに発電量に違いが生じる時間が出てくる。

 パワーコンディショナー(PCS)は、最大電力点となる電流と電圧でパネルの出力を制御(MPPT制御)する。出力が大きく異なるパネルが1台のPCSに入力している場合、出力の低いパネルに合わせてMPPT制御することになる。この場合、高く出力できる状態のパネルは、出力が抑えられ、本来持っている発電能力を生かせない可能性もある。

 この課題に対しては、ストリング(太陽光パネルを直列に接続する単位)の構成を工夫した。横向き4段で構成するアレイのうち、下2段の影がかかるパネル同士、上2段の影がかからないパネル同士に分け、ストリングを構成した。これによって、影のかかっていないパネルも、影のかかっている状態のパネルも、それぞれ最大出力で発電でき、影による発電量の低下の影響を最小化している。

 ストリングは、24枚のパネルをつなぎ、1000Vで直流回路を構成している。下2段、または、上2段に分けた場合、一つのアレイだけで24枚のストリングが構成できない場合がある。その場合、隣のアレイまでまたいで、ストリングを構成した。

 土地の勾配をそのまま生かして設置しているために、アレイごとの角度や高さは異なる。影のかかり方も異なる。3D CAD(3次元データによる設計ツール)を使い、それぞれのアレイへの影の影響を一様になるように設計したという。

 こうした工夫の上、連系出力の1.99MWに対し、太陽光パネル出力は約2.32MWまで過積載の比率を上げた。パネルは、シャープ製の単結晶シリコン型で出力265W/枚の製品を8784枚、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の出力665kW機を2台、同660kW機を1台導入した(図5)。

図5●直流1000V対応のPCSを採用
図5●直流1000V対応のPCSを採用
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の出力665kW機を2台、同660kW機を1台導入(出所:日経BP)
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