現場で切って、傾斜にあった高さや角度に

 シンエイテック製のHパイルは、斜面に対応しやすい上、架台と組み合わせた際の強度や信頼性が魅力だった。コンクリート杭を埋めた周囲を、セメントミルクで固めた。

 採用したコンクリート杭は、内部に鉄筋が入っている。このため、強度が高い。地中では杭として、地上では柱として利用できる強度を持つという。

 場所によって異なる傾斜への対応は、現場で切断することで対応した。切断後は、一般的なコンクリート基礎と同じように、コンクリートに後から打ち込むアンカー(固定具)で架台と接合できる。結果的に基礎と架台を「剛接合」できる利点があった(図7)。

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図7●基礎と架台を「剛接合」できる
図7●基礎と架台を「剛接合」できる
現場で高さ、角度を合わせてコンクリート杭を切断する工法を採用(出所:日経BP)
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 容易に切断できるものの、現場で1本ずつ最適に切断する作業となるため、施工の速度や精度が落ちる恐れを懸念していた。しかし、結果として、施工の速度は、杭を使った一般的な方法と同等で、施工の精度も「完成度が高かった」と評価している。

 コンクリート杭は、1900本以上を打ち込んだ。1本1本、地面に圧入し、接地面を調整するために切断した。作業者は、この作業の際、防塵のためヤッケ(防風・防塵衣)を着て、マスクをつける。工程スケジュール上、真夏に実施することになったため、汗を大量にかきながらの作業となり、安全に留意しながら進めたという。