パネルの下で朝鮮人参を栽培

 2017年4月、つくば市の水守地区に稼働した「SJソーラーつくば発電所」は、約54haもの農地上の空間に約35MW分の太陽光パネルを設置した。架台を設置する部分の農地を一時的に転用する制度を活用した。日本最大のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)となった(図8)。

図8●「SJソーラーつくば発電所」
図8●「SJソーラーつくば発電所」
(出所:上海電力日本)
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 一般的な太陽光パネル(60セル・265W/枚)を使い、横置き5列・4段に並べたアレイ(パネルの設置単位)を設置角15度、地上からパネル最低部で2mの高さに杭基礎で設置した。1アレイは前後・左右2本ずつ、合計4本の杭基礎で支える。前後の杭基礎の間隔は約3m。この基本アレイを2.2mの間隔で設置した(図9)。このため各アレイは互いに遮蔽せず、前後に十分な空間がある。地面に対する遮光率は50%程度になる。

図9●設置高2mのアレイを設置してパネルの下で営農
図9●設置高2mのアレイを設置してパネルの下で営農
(出所:日経BP)
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 パネルの高さ2m、杭基礎の幅が3mあるので、農業用トラクターなどが営農作業を行える。農作業を行うのは、地域の農家などからなる農業生産法人・水杜の郷(みもりのさと)で、朝鮮人参(チョウセンニンジン)、明日葉(アシタバ)、香菜(パクチー)などを生産している(図10)。

図10●朝鮮人参の栽培風景
図10●朝鮮人参の栽培風景
(出所:日経BP)
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 ソーラーシェアリングでは、細長い短冊形パネルを使い、遮光率を30%程度に抑えた場合、稲や大豆などを栽培する例がある。つくば市サイトのように遮光率が50%程度になる場合には、半分程度の日照量でも育つ「半陰性農作物」が適する。朝鮮人参などはこうした視点から選んだという。

 上海電力日本が同農業法人から杭基礎部分の農地と農地上の空間を賃借して発電事業を行う。農業法人は、賃料という安定収入を得つつ、営農に取り組める。

 この地区では、もともと芝生を栽培していたが、ゴルフ場の減少から、国内での芝生需要が減少するなか、耕作放棄地が増えていた。そこで、メガソーラー事業者への賃貸を模索する中、農地の一時転用の仕組みを活用し、上海電力日本と連携することになった。