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「ピン接合」から「剛接合」に変えブレスなくす

 「酒々井」では、こうした「あみ」の経験を生かし、斜めの柱とコンクリートブロックのない設計を目指した。その結果、1本の杭を深さ5mまで打ち込み、34cmもの太い1本の柱でアレイを支えるシンプルな構造になり、ミニバンなど大型車でも、PVカーポート部材への接触の恐れはまったくなくなった。

 杭と柱を減らしても、建築基準法に適合した強度を確保するため、杭や柱を太くするとともに、アルミニウム製から鋼製に変更した。

 加えて、基礎と支柱、支柱と梁との接合方法に関し、「あみ」で採用した「ピン接合」から、「酒々井」では「剛接合」に変えた(図8)。

図8●「酒々井」では「ピン接合」から「剛接合」に変えた
図8●「酒々井」では「ピン接合」から「剛接合」に変えた
(出所:日経BP)
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 「ピン接合」は、溶接やボルトなどによる「剛接合」に比べ、接合部分が可動になる。そのため、風や地震などの外力をある程度、吸収できる。そして、外力に対する躯体全体の強度を確保するために、柱と柱の間などにブレス(筋交い)を入れて、補強する必要がある。

 実際、「あみ」のPVカーポートでは、基礎と梁の間にブレスを入れている。このため、駐車時にバックドアを開ける際など、利便性に課題があった。一方、「酒々井」では、ボルトによる剛接合を採用したため、ブレスがなく、ドライバーにとって利便性が増した(図9)。

図9●ブレスがないためドライバーの利便性が高まった
図9●ブレスがないためドライバーの利便性が高まった
(出所:日経BP)
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 「あみ」のPVカーポートの基礎は、すでに製品化された「EAZET(イーゼット)」という鋼管杭工法が基本となっていたが、「酒々井」では、地盤や地耐力などに合わせてオーダーメイドで強度計算して、設計したという。架台部分は、シュレッター製をベースにしているものの、商用ベースでの設置例は国内外で「酒々井」が初めてになるという。