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 日本における太陽光発電所は一般的に、太平洋側などの日照に恵まれた地域から多く開発されてきた。日本海側は、太平洋側に比べると曇りの日が多い傾向にあり、日照量の面で不利と見られることが多い。

 さらに、冬には雪が積もる。太陽光パネルの上に、雪が積もれば、たとえ晴れていても、その間は発電量が減ってしまう。

 積雪による発電ロスを最小化するために、太陽光パネルの設置角を、太平洋側などの10~15度に対して、日本海側をはじめとする積雪地では30~40度などと大きく傾ける。パネルに積もった雪を、できるだけ早く滑り落とすためだ。パネルから雪が早く落ちれば、その分だけ、発電ロスを減らせる。

 ただし、パネルから落ちた雪が、下に溜まって雪の山になり、パネル最低部とつながってしまうと、それ以上は滑り落ちなくなる。場合によっては、融雪時にパネルが損傷することもある。これを防ぐために、太陽光パネル最低部と地面との設置高は、例年の最大積雪深よりも、さらに数十cmの余裕を確保することも多い。

 日照が太平洋側に比べて少ないうえ、パネルの設置角や設置高への配慮は初期コストを押し上げる要因となる。設置角を大きくすると、アレイ(太陽光パネルの架台への設置単位)の影も長くなり、並べられるパネル枚数は少なくなる。こうした条件を、日本海側の積雪地の太陽光発電事業者は、「三重苦」などと称することもある。

 太平洋側に比べると、こうした不利な条件はある。一方で、「三重苦」を克服して事業化し、稼働後の適切な運営も奏功し、優良な太陽光発電事業を実現している例がある。

 さまざまな工夫によって事業性を十分に確保できると評価した発電事業者によって、まだ土地の面で開発余地の大きい日本海側の積雪地に、メガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置しようとする動きが続いている。

 今回は、新潟県阿賀野市にある合計出力約23.55MW(発電所の連系出力:17MW)の「新潟東部太陽光発電所」(図1)を再び探訪し、積雪の影響などを聞いた(2015年3月公開の前回のコラム)。

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図1●新潟東部太陽光発電所
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図1●新潟東部太陽光発電所
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図1●新潟東部太陽光発電所
新潟県企業局が開発・運営(出所:日経BP)