パネルは20万枚以上
検査の項目にはまず、「外観検査」がある。文字通り、発電所内の設備を目視で確かめる。届け出た工事計画書に従って施工されているか、電気設備の技術基準に合致しているかを確認する。発電所と隣接地を隔てるためのフェンスや、出入口となる門なども対象となる。
発電設備と地面を結んでいる接地(アース)の有無をはじめ、点検個所が多く、時間と手間を要する。津のメガソーラーの場合、太陽光パネルは20万4120枚にもなる。
外観検査の結果、40カ所でアースの不備を発見したという。こうした場合、発注者(今回の場合はトーエネック)に報告し、適切に施工し直した後、再度検査して確認する。
直流・交流に共通する項目として、「接地抵抗測定」や「絶縁抵抗測定」などがある。定められた手法でそれぞれ抵抗値を測定し、適切に施工されているか、確認する(図3)。
直流部の絶縁抵抗測定は、ストリング(太陽光パネルを直列・並列に接続した単位)ごとに測定する。今回は、15枚のパネルを直列に接続し、ストリングを構成している。
区画ごとに、48個の接続箱を設置し、それぞれに16本のストリングを入力している。接続箱の入力端子を活用し、測定した。
直流部の接地抵抗測定は約1万3000カ所、絶縁抵抗測定とI-V(電流-電圧)測定はそれぞれ約1万4000回路で実施した。
今回の検査では、どの区画も湿度の低い好天日に作業できたため、1カ所当たりの測定は順調に進んだという。湿度が高いほど測定に要する時間が長くなり、6倍も時間を要する場合もある。
同じ絶縁に関する項目でも、「絶縁耐力試験」については、津の案件では、中間用の昇圧変圧器のみを担当した(図4)。パネルも検査対象となっているが、経産省との協議で認められた場合、パネルについては出荷時のデータで代替できる。