420枚を5ブロックに敷き詰める
倉庫建物を外から見ると、太陽光パネルが全く見えないため、ここが太陽光発電所とはわからない。ただ、倉庫裏の地上に昇圧器(キュービクル)が設置され、倉庫建物に入ると、テナントの保管品のある一室にPCSが据え付けられているのが見える。
そうして、最上階から屋根上に繋がる階段を上って、ドアを開けると、折板屋根に平らに整然と固定された太陽光パネルが目に入る。420枚のパネルを5つに分け、120枚、96枚、96枚、60枚、48枚のブロックにし、1つのブロックはほぼ隙間なく敷き詰めている(図2)。
EPC(設計・調達・施工)サービスは、日光エナジー開発(大阪市中央区)が担当した。太陽光パネルは韓国・LGエレクトロニクス製の260W/枚の製品、PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、昇圧器(キュービクル)は河村電器製を採用した。折板屋根にパネルを取り付ける金具は大津鉄工(愛知県弥富市)製を採用した。総工費は約4000万円となった。
太陽光発電所の建設では、一般的に1kW当たり30万円程度とされるなか、「京都第一倉庫 太陽光発電所」は割高となった。その原因は、まず50kW以上のため高圧連系となり、連系設備(昇圧器)が必要になったことがある。一般的には、50kWを超えると特別高圧連系とならない2MW未満ギリギリの1.99MWが多くなっている。「100kWという連系容量は、費用対効果の良くないことは分かっていたが、自社施設で最大限の容量を実証的に取り組む意図から、あえて踏み切った」(吉田マネージャー)という。