アルミ・プレートは8mmの厚み

 大津鉄工はFITが始まる直前、2010年ごろから、太陽光の架台の開発に取り組み始めた。開発思想には「安全第一」を据えた。屋根設置用の金具でも、「ビルの上など、高所にパネルを設置した場合、架台から外れて落下した場合、大惨事につながる。上から押さえただけの支圧接合だと、激しい地震の際、外れてしまう可能性を払拭できない」と、PV事業部の中西邦洋係長は言う。

 確実にパネルを固定するには、ねじで止める方法のほか、接着剤で固着する方法もある。だが、「接着剤は、長期間の強度維持に不安があったことと、一度、固着してしまうと外せないことも保守の上で不便。やはりねじで止める方法が最も安心と考え、ねじ止めできる方法を探る中で、プレートとレールを使う方式に行き着いた」という。

 長期の利用における耐食性を高めるため、素材はアルミニウムを採用し、表面をアルマイト加工した。一方で、アルミは強度面で鋼製に劣るため、プレート部品の厚さは8mmと肉厚にして強度を高めた(図9)。

図9●OT-Pロックの部品構成
図9●OT-Pロックの部品構成
(出所:大津鉄工)
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