断熱効果で空調費を削減
倉庫の屋根の上に、太陽光パネルを設置することによって、発電以外の利点も生じた。例えば、太陽光パネルが、屋根の断熱性を高める効果である。
屋根から倉庫内に、屋外の高温が伝わることを抑える効果が生じる。これによって、夏の暑い時期に、冷房の費用が減る効果がある。冬になると、逆に太陽の熱を妨げる効果が生じるが、倉庫内の室温を外に逃がさない保温効果の方が高く、暖房の効きは良くなる。
こうした効果は、閉じきった建物ならば、より高い効果を得られる可能性がある。倉庫の場合、側壁のシャッターを開放して使うために、効果の度合いを数値化することは難しいようだ。
それでも、効果は実感できるという。例えば、冷房の温度を28℃に設定する夏の高温時には、これまで冷房時にも設定以上の温度になっていたが、太陽光パネルの設置後は、28℃を維持できるようになった。甲府の倉庫を構成している二つの棟のうち、古い棟のテナント企業の電気料金も目に見えて下がっているという(図3)。