石塁や古墳、荒神の祠

 荒神岳太陽光発電所が立地しているのは、「お茶山」と呼ばれる丘陵で(図5)、福江島を古くから治めてきた五島家が所有している。江戸時代には、五島家の施設が建っていた。この土地を、五島家の第35代当主である五島典昭氏から借り、太陽光発電設備を設置した。

図5●「お茶山」と呼ばれる丘陵に立地
図5●「お茶山」と呼ばれる丘陵に立地
眺めから高度感がわかる(出所:日経BP)
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 五島家では、旧石田城や同城内の庭園・隠殿屋敷などを所有している(図6)。これらの中には、歴史的に重要な文化財を含む。

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図6●五島家の第35代当主である五島典昭氏から借地した
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図6●五島家の第35代当主である五島典昭氏から借地した
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図6●五島家の第35代当主である五島典昭氏から借地した
メガソーラーの用地となった江戸時代の施設跡のほかにも、旧石田城や同城内の庭園・隠殿屋敷などを所有している。庭園・隠殿屋敷前で写っているのが五島氏(上)。(出所:日経BP)

 メガソーラーが立地する土地は、旧石田城からは少し離れているものの、島の中心部近くに位置している。

 江戸時代には、茶亭が建てられた場所だったと、碑文に記されている。ただし、茶亭というよりも、当時の五島藩は城郭を持っていなかったことから、その代わりの陣屋(のちの石田城)が危機に陥った際、避難するための「詰の城」のような存在であったと推定されている。現在は、石塁のみが残っている。

 こうした福江島の歴史に深い縁がある場所のため、五島家では有効に活用したいと考えていた一方で、心情面も含めて、貸し出し先の企業や用途にはさまざまな制約がつき、これまでは賃貸契約には至らなかった。

 その中で、多摩川ホールディングスによるメガソーラー用地としての活用の提案は、五島家の意向にも沿うもので、賃貸契約が成立した。