EPCの選定で二転三転

 こうした土地に関連する許認可や計画の変更もあり、着工や発電開始の時期を数度にわたって遅らせた。発電開始は、当初の計画から約2年間遅れたという。

 もっとも大きかったのは、EPC(設計・調達・施工)サービス会社の選定が二転三転したことだった。

 多摩川ホールディングスにとって、初めての特別高圧の発電所となったことに加えて、離島での大型案件だったことなどが影響したようだ。

 多摩川ホールディングスによると、元請となるEPCサービス企業や、そこからさらに発注を受けて実際に施工する会社に関しては、できるだけ地元や近隣県の企業が関与できるように配慮してきたという。

 しかし、例えば、施工会社でも、土木の規模が大きくなり、電気面でも特別高圧の工事となることから、福江島という離島では担当できる企業が限られる。

 EPCに関しては、文字通り「二転三転」したという。

 複数のEPC企業の決定と再検討を繰り返し、一時期は、南国殖産(鹿児島市中央町)に決定し、2016年1月に発表していた。しかし、この発表後に実現が不可能となり、ウエストエネルギーソリューション(東京都新宿区)が最終的に担当した(関連ニュース)。

 こうした曲折があり、さらに設置面積の制約から太陽光パネルを変えながらも、パワーコンディショナー(PCS)は当初から東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を選び、変えることはなかった。

 この理由として、多摩川ホールディングスでは、性能と価格、信頼性などのバランスの高さに加えて、TMEICによる発電所の設計や九州電力との連系協議のサポートが、事業化に向けて大きく寄与していたためとしている。

 最終的にウエストエネルギーソリューションがEPCサービス担当した際には、計画はおおむね出来上がっており、その案をほぼ変えずに最終的な計画としたという。

 ただし、ウエストエネルギーソリューションは、PCSの機種を変えることを提案した。当初の計画では出力500kW機を10台導入し、5MWのPCS出力としていた。これを、出力1.667MW機が2台、出力1.666MWが1台という3台による構成に変えた(図11)。

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図11●出力1.667MW機に変更
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図11●出力1.667MW機に変更
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図11●出力1.667MW機に変更
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製。発電設備はリースを活用して導入(出所:日経BP)

 これによって、基礎の施工コストなどを含むPCS関連のコストを低減した。

 発電設備については、リースのスキームを活用して導入した。リコーリースが担当し、発電所設備は固定資産として多摩川ホールディングスに帰属する。15年間の契約で、リース料の総額は29億3400万円、取得価格相当額は20億7000万円となっている。