赤土の浸食対策、離島ならではの物流

 施工時に、留意することもあった。本土の一般的な太陽光発電所と異なり、地盤は赤土で硬い岩が多い。五島列島の赤土は、粒子の粘着力が比較的弱く、雨水などによって浸食したり流出しやすい特徴がある(図12)。

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図12●地面は赤土
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図12●地面は赤土
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図12●地面は赤土
雨水による浸食や流出防止策が重要に(出所:日経BP)

 このため、法面などでは、藁などを使って地表を覆ったり、芝を吹き付けるなど、工夫した。今後、クローバーなども植え、雑草の抑制と赤土の流出防止の二役を担う予定としている。

 また、本土などと違い、陸路がつながっていることを前提に資材を納入できない。

 本土のメガソーラーであれば、例えば、太陽光パネルは1日に設置できる分だけをメーカーが毎日のように納入することも可能になる。

 離島におけるメガソーラーでは、交通の事情からこうした搬入が難しい。福江島の場合、博多や長崎との間を結ぶフェリーを使い、運搬することになる。

 太陽光パネルは、大きく3回にわけて納入されたという。

 発電所の運営でも、離島ならではの工夫が必要だった。特別高圧送電線に連系する太陽光発電所で義務付けられている、第2種電気主任技術者の専任が容易でない。まず、島の中で新たに確保することは事実上、難しい。

 今回のメガソーラーの場合、第2種電気主任技術者は福江島ではなく、福岡県に駐在している。現地には船か飛行機で向かうことになり、当然ながら、「緊急時に2時間以内に現地に駆けつけられる」という規程を満たせない。

 経済産業省・九州産業保安監督部と協議した結果、「代務者」が常駐することで、その業務を代行することが認められた。

 代務者は、電気主任技術者の不在時に、主任技術者の指示で業務を代行する職責者として置くことが決められている。電気主任技術者と同等の知識や経験を持つ技術者を充てることが定められている。

●発電所の概要
発電所名荒神岳太陽光発電所
所在地長崎県五島市吉久木町(五島藩の茶亭跡など)
土地所有者五島 典昭氏(五島家第35代当主)
敷地面積約10.3ha
賃料非公開
発電事業者GPエナジー2(東京都港区:多摩川ホールディングスが設立した特定目的会社)
太陽光パネル出力約5.3MW(増設後は約5.8MW)
パワーコンディショナー(PCS)出力約5MW
年間予想発電量約679万566kWh
EPC(設計・調達・施工)サービスウエストエネルギーソリューション(東京都新宿区)
太陽光パネル米サンパワー製(出力327W/枚、1万6352枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(直流1000V対応・出力1.667MW機2台、同1.666MW機1台)
O&M(運用・保守)ウエストO&M(広島市西区)
発電設備のリースリコーリース
売電開始2018年3月30日
売電価格(税抜き) 36円/kWh