台風で多くの木が倒れる

 2016年秋に台風が上陸した際には、設計の通りに、太陽光パネルのある場所に雨水が貯まり、一時的な貯水池としての機能も果たした。

 一方で、予想外のハプニングもあった。強風によって、周囲の林で、多くの木がなぎ倒される被害が起きた(図5)。メガソーラーの開発に伴う残置森林でも、同じように多くの木がなぎ倒された。

図5●台風で多くの木がなぎ倒された
図5●台風で多くの木がなぎ倒された
メガソーラー付近の林で、強風で折れた木がそのまま残っていた。周辺地域一帯の林がこのような状態になったという(出所:日経BP)
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 倒れた木を調査すると、細い樹木が多い上、その多くが赤枯病にかかっていたことがわかった。こうした被害を受けて、行政と相談の上、今後、倒れる可能性がある危険な木については、伐採した。

 メガソーラーの残地森林については、倒木の可能性がある木の伐採とともに、新たに苗木を植えることで残地森林の比率を維持した。

 ただ、これによって、木の影が少なくなり、メガソーラーの太陽光パネルへの日射の状況は、向上することになった。とはいえ、周辺の林や残置森林による影の影響を考慮した構成は、そのまま変えずに運用している。

 周辺の林や残置森林による影の影響を想定し、PCSへの入力を工夫していたのである。日時ごとに変わる影の影響が似ているストリング(太陽光パネルを直列・並列につないで接続箱に入力する単位)をまとめ、同じPCSに入力する設計にしていた。

 これによって、影のかかるパネルを含むストリング、影がかからずに出力しているストリングのいずれも、年間を通じてできるだけ長い時間、最大電力点で出力することを狙った。

 PCSは、最大電力点となる電流と電圧でパネルの出力を制御(MPPT制御)する。影などで出力の落ちたパネルを含むストリングと、フル出力できるストリングが同じPCSに入力している場合、出力の低いパネルに合わせてMPPT制御することになる。

 そこで、年間を通じて最大電力点の電圧値の類似したストリングを、同じPCSに入力してMPPT制御することで、影のかかったストリングが、フル出力できるストリングに影響しないようにし、かつ、いずれのストリングもその時点で最大限に出力できるようにした。