過積載率は「1.6倍」に

 こうした運用手法を前提に「8段アレイ、設置角10度、アレイ間隔1.4m」を採用したことで、「亘理太陽光発電所」は、約75haの敷地に約80MWものパネルを設置できた。この結果、連系出力49.3MWに対して、過積載率は1.61倍まで高まった。これは、1.2~1.3倍程度の過積載が多い国内メガソーラーにあっては、異例の高倍率になる(図9)。

図9●8段アレイで、過積載率1.6倍までパネルを積み増した
図9●8段アレイで、過積載率1.6倍までパネルを積み増した
(出所:日経BP)
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 太陽光を連系出力以上に設置する「過積載」の効果は、「晴天日の正午前後に発電量を多少、抑制(カット)しても、朝夕の発電量を底上げすることで事業性が高まること」と一般的に言われる。1日の交流発電量(売電量)のグラフが「台形」になることで、限られた連系出力を有効に活用でき、PCSや連系設備の設備利用率が向上する。

 ただ、佐野社長は、これまでのメガソーラー運用の経験から、「過積載率1.2~1.3倍程度の場合、晴天の正午でも太陽パネルの発電量が連系出力を超えることはほとんどない。ピークカット効果により設備利用率を高めるには、さらにパネルを積み増し、過積載率を1.3倍以上に高める必要がある」と、話す。

 こうした現象になるのは、太陽光パネルのカタログ上の出力(公称最大出力)は、標準試験条件(STC)である1000W/m2の日照下で測定した際の出力値なのに対し、実際の国内サイトでは快晴時の正午でも700W/m2程度の日射しかないからという。つまり、1.3倍程度、パネルを積み増すことで、ようやくカタログ上の発電量を得られることになる。

 山佐が、「亘理太陽光発電所」で、面積効率を極限まで高めて過積載率を1.6倍まで高めたのは、こうした考え方からだ。