発電収入の一部を亘理町に寄付

 東日本大震災による亘理町の被害は甚大だった。死者・行方不明は300人を超え、約5600棟の住宅が全半壊か一部損壊、1826haもの農地が塩害を受け、農業施設の被害により営農を自粛した387haを加えると、町の水田の約8割が作付けできなくなった。

 「亘理太陽光発電所」の隣には、海蔵寺という曹洞宗のお寺があり、境内に東日本大震災の慰霊碑が立っている。震災の前まで、この寺は吉田地区の外れで集落の一角を占めていた。津波に被災し、裏の墓地に瓦礫が流れ込み、墓石のほとんどが倒壊した。

 復興事業により、集落が内陸に移転し、人気のなくなった今、残された禅寺だけが、かつてそこに集落があり、人々の生活の場だったことを教えてくれる。

 ただ、この地から町民が去り営農が途絶えても、メガソーラーが稼働したことで「エネルギー生産」という経済活動が営まれ続ける。そこから得られる億単位の税収は、単に元に戻る復旧ではなく、新たな発展を目指す「新生・亘理町」を支える一助になる。

 山佐と亘理町、宮城県は2015年3月に、メガソーラープロジェクトに関する立地協定を締結し、連携して計画を進めてきた。運転開始後は、納税とは別に、発電収入の一部を農業支援などに生かす目的で、毎年、亘理町に寄付することになっている(関連記事:津波被災地を大規模に農転、「新生・亘理町」を担うメガソーラー) 。

発電所名亘理太陽光発電所
住所宮城県亘理町吉田字村88-1他
発電事業者山佐
土地所有者山佐
敷地面積74万7250m2
出力パネルの設置容量79.548MW、パワーコンディショナー定格出力49.3MW
年間予想発電量約7588万kWh
EPC(設計・調達・施工)サービスユアテック
太陽光パネル京セラ製多結晶シリコン型(280W/枚・25万3560枚)、ソーラーフロンティア製CIS化合物型(175W/枚・4万8864枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム製(1667kW機・10台)、SMAソーラーテクノロジー製(1000kW機・35台)
基礎・架台シュレッタージャパン(杭基礎・4万9386本)
遠隔監視装置富士アイティ
ストリング監視装置住友電気工業
着工日2017年6月
運転開始日2019年3月2日