2つの杭基礎工法を併用

 「鹿児島湧水ソーラーパーク」の土壌は、シラスではないものの、火山灰の交じった黒ボクと呼ばれる土壌でやはり雨で流れやすい。もともとほぼ平坦だったため、本格的な造成をせず、基本的に土地なりにパネルを設置した。このため、表面土壌の多くは安定している。

 ただ、サイト中央は、造成して法面を形成した。土壌が不安定なうえ、上のサイトから雨水が流れてくる恐れもあった。そこで、法面を植栽シートでカバーするとともに、その下の一帯を防草シートで覆って、表面土壌の流出を防いだ(図9)。

図9●北向き斜面に設置したパネルと防草シート。パネルはカナディアン・ソーラー、パワコンはTMEIC製を採用
図9●北向き斜面に設置したパネルと防草シート。パネルはカナディアン・ソーラー、パワコンはTMEIC製を採用
(出所:日経BP)
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 太陽光パネルは、設置角を5度まで低くし、アレイ(パネルの設置単位)間の距離を80cmまで近づけることで設置枚数を増やした。一部の北向き斜面では、影が長くなるため、10m間隔でアレイを配置した。アレイの構成は、パネル横置きで7列4段の28枚とし、1アレイを前後6本の杭基礎で支えている。

 杭基礎の施工方法は、専用の杭打機を使い、施工効率の高い「ラミング工法」を基本とした。ただ、地耐力が弱く、杭の打ち込みだけで、強度を確保できない地盤では、コンクリートミルクを流し込んで杭基礎を固定する「キャストイン工法」を採用した。

 湧水町には、冬季に霧島連峰から「霧島おろし」と呼ばれる冷たい強風が吹く。こうした強風を前提に構造計算し、地中に2.1~2.5mの深さまで杭基礎を打ち込み、それでも強度が出ないエリアにはキャストイン工法で杭を固めて補強した(図10)。

図10●地耐力の低いエリアはキャストイン工法で杭を固定
図10●地耐力の低いエリアはキャストイン工法で杭を固定
(出所:日経BP)
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