20日間で島内住民に売り切る

 2013年7月31日から島内の銀行や証券会社の窓口で販売を開始した。「淡路島内で先行的に優先販売し、4億円を販売し切れなかった場合、島外でも販売する予定だった。売れ行きを心配したが、8月21日までに島内で完売した」(兵庫県企画県民部特区推進課)。2口以上の購入者も多かったため、販売件数は471件だった。

 利率は、一般的な県民債と同レベルで、特別に高いわけではなかった。「発行体が県という高い信用力に加え、あわじ環境未来島構想による島内での太陽光発電事業に関心を持たれたことも売れ行きにつながった」(同課)とみている。

 もともと「住民参加型」として企画した背景は、「あわじ環境未来島構想の存在さえ知らない島民も多い。メガソーラー建設を機に参加意識を持ってもらいたい」(同課)ことだった。その意味でも、県民債の島内での完売は大きな成果だった(図3)。

図3●「住民参加型」をアピール(出所:日経BP)
図3●「住民参加型」をアピール(出所:日経BP)
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 「住民参加」を標榜した金融手法では、匿名組合出資によるファンドスキームもある。地域の企業・団体が主導し、地域住民に出資を呼びかけた「市民ファンド」によるメガソーラー事業も増えている(関連記事)。

 兵庫県でも、当初、市民ファンドのスキームも検討した。「市民ファンドの場合、県の事業であるにも関わらず、市民に事業リスクを負わせることになる。加えて、SPC(特定目的会社)の設立や厳格な資金管理など、スキーム構築・維持にかかるコストが大きくなるなどの課題もあった」(同課)という。

 県民債も、債券の1つとして、リスクがないわけではないものの、兵庫県が財政的に破綻しない限り、デフォルト(債務不履行)に陥ることはない。最終的な信用力が、事業の生み出すキャッシュフローに依存するファンドスキームに比べると、「安心して島民の人たちにメガソーラー事業に参加してもらえる」(同課)。