深さ4mにスクリュー杭2本を打ち込む

図6●パネルは京セラ、パワーコンディショナーは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を導入。西に牛久大仏が見える(出所:日経BP)
図6●パネルは京セラ、パワーコンディショナーは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を導入。西に牛久大仏が見える(出所:日経BP)
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 「PVカーポート」は、日本コムシスがEPC(設計・調達・施工)サービスを担当した。約500台の駐車スペースの上に設置した太陽光パネルは約4000枚で、京セラ製を採用した。パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を導入した(図6)。

 接続箱からの配線は、すべて地中配管にし、駐車場の入り口付近に設置したPCSにつながっている。PCSで交流に変換後、昇圧して、高圧6.6kWの構内系統に連系している。総工費は約3億6000万円で、そのうち1億円を経済産業省の補助金で賄った。

 カーポート兼用の架台システムは、オリックスが納入した。ドイツ・シュレッター製の製品をベースに、豊田通商の子会社である豊通ファシリティーズ(名古屋市)などが日本向けにアレンジしたものだ。

 同製品の特長は、片側の支柱だけで屋根を支える「片持ち」方式で、開口部に補助柱がないので車を出し入れしやすい。ただ、その分、基礎・支柱への荷重が大きくなる。

 日本市場向けの変更点は、基礎部分の工法という。ドイツの基準で設計されたシュレッター製のままだと、台風などの風荷重や積雪荷重を想定した日本の建築基準法に対応できなかったという。そこで、一つの基礎に2本のスクリュー杭を深さ4mまで埋め込み、地上部分は鋼材の梁を固定し、コンクリートを型枠に流し込んで固めた(図7)。

図7●基礎工法のイメージ。2本のスクリュー杭を深さ4mまで打ち込んだ(出所:豊通ファシリティーズ)
図7●基礎工法のイメージ。2本のスクリュー杭を深さ4mまで打ち込んだ(出所:豊通ファシリティーズ)
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 基礎と、架台の支柱は、「ピン接合」で結合した。ピン接合は、溶接やボルトなどによる剛接合に比べ、接合部分が可動になる。そのため、風や地震などの外力をある程度、吸収できる。そして、外力に対する躯体全体の強度を確保するために、柱と柱の間にブレス(筋交い)を入れて、補強した。

 こうした基礎工法により、積雪40cmを超える地域(北海道や日本海側)と基準風速38m/sを超える地域(沖縄など)を除いた国内での設置が可能になった。