ソーラーシェアリングも検討
所沢市が、早くから自ら太陽光発電所の開発に取り組んできたのは、東日本大震災後に策定した「マチごとエコタウン所沢構想」に基づいている。
同構想では、基本方針として、(1)まち全体への太陽光の設置など、再生可能エネルギーの導入、(2)里山の保全と活用など、みどりの保全・創出、(3)「もったいないの心」の定着によるごみの減量・資源化――を掲げた。
再生可能エネルギーの導入では、「メガソーラー所沢」と「フロートソーラー所沢」のほか、公共施設への屋根上太陽光に取り組み、すでに約1MWを導入している。
今年10月に営業を始める地域新電力「ところざわ未来電力」は、公共施設への供給を手始めに、民間企業の高圧需要家、そして、将来的には、一般住民など低圧需要家向けの電力供給も視野に入れている。
新電力で課題になる需給管理に関しては、既存のバランシンググループのなかでリスクを減らし、第2段階で高圧事業者に対象を広げる際には、まず取次型代理店としてスタートし、徐々に地域新電力のバランシンググループに組み入れていくシナリオを持っている。
電源側の「市内再エネ比率」の向上に関しては、すでに市域での従来型での太陽光開発は限界になっていることから、市内農家と連携した「営農型太陽光(ソーラーシェアリング)」、そして、家主に初期投資のかからない住宅太陽光のスキームを研究している。
同市は、全国ブランドである「狭山茶」の産地でもある。お茶は比較的、日影でも収穫できることから、営農型との相性が良い可能性がある。
初期投資ゼロの設置スキームは、「PPAモデル」「第3者所有モデル」と呼ばれる仕組みで、既築住宅を含めた住宅太陽光の推進に国内外で実績が増えている。同市では、「所沢版太陽光0円システム」として、政策的な支援も検討している。
所沢市の「RE100」に向けた取り組みは、一般市民そして、第一次産業を巻き込んだ、新たな「エネルギー地産地消」モデルとして、注目されそうだ。
発電所名 | メガソーラー所沢(愛称:とことこソーラー北野) |
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住所 | 埼玉県所沢市北野南3-16-24(所沢市北野一般廃棄物最終処分場) |
発電事業者 | 所沢市 |
土地所有者 | 所沢市 |
敷地面積 | 約3万3000m2 |
太陽光パネル設置面積 | 約1万7300m2 |
出力 | パネル容量1.05MW、パワーコンディショナー(PCS)定格出力1MW |
年間予想発電量 | 106万6560kWh(20年間平均値) |
設置・運営 | 大和リースを代表とする包括リース方式(構成員は大和物流、平岩建設、橋本電工) |
太陽光パネル | シャープ製(245W/枚・4298枚) |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW機・2台) |
基礎 | 鋼管杭(FXT鋼管基礎) |
着工日 | 2013年9月 |
売電開始日 | 2014年3月 |