表面がてかてか光らないパネル
太陽光パネルに関しても、制約があった(図5)。航空機のパイロットや、管制官の視認性を阻害しないことが求められた。太陽光パネルの表面からの反射光を抑えなければならない。
飛行場に隣接する太陽光発電所に関して、パネルを供給するソーラーフロンティアには、先例となる経験があった。関西空港の敷地内の出力約11.6MWである。
同社の平野敦彦社長によると、同社のCISによる化合物半導体系のパネルは、表面が黒っぽいことなどから、通常の製品で視認性に影響しなかった。結晶シリコン系のように、表面がてかてかと光っていない。
この特性によって、関西空港でも、今回の長崎空港でも、航空機の運航に支障はないと判断され、特別な加工などを施していない標準品が採用された。結晶シリコン系の場合、カバーガラスの表面に防眩加工を施した製品を供給し、対応することが一般的となる。
公称最大出力が165W/枚の「SF165-S」を、約18万枚供給した。
平野社長は、海に面する発電所ならではの利点にも期待している。関西空港の発電所では、周囲を海に囲まれていることにより、水面からの反射光が最終的にパネルに入射することで、通常の地上設置型に比べて、発電量が増す効果が出ているという。長崎空港の隣接地でも、同様の効果が見込めるのではないかと見ている。