当初は見送った開発、地元の使命感から実行へ

 チョープロは、長崎空港の隣接地についても、他の候補地と同じように、メガソーラーの開発を検討したものの、当初は開発を見送る意向だったという。

 自社で手がけるには、障壁の高い案件だったからである。一方で、土地を所有する長崎県や長崎県土地開発公社は、地元企業による活用を望んでいた。

 チョープロの荒木健治代表取締役によると、「この場所で、われわれがメガソーラーを開発するなど、想定外だった。あまりにも規模の大きなプロジェクトとなる上、連系先となる特別高圧送電線は、島内になかった」。

 それでも、次第に開発しようと考えるようになった。最大の理由は、メガソーラー事業は、地方創生につながるという思いからという。

 「FITに基づく太陽光発電事業は、何かと都会に流れがちなお金の一部を、地方に戻すことができる。都会では、多くの電気が使われており、その一部を再エネで賄おうとしても用地が限られる。そこで、FITの賦課金として売電収入の一部を広く負担してもらいながら、地方の遊休地を有効活用することで、地方創生の契機にできる」。チョープロの荒木代表取締役は、FITの持つ1つの側面をこう捉えている。

 とはいえ、地方にある巨大なメガソーラーのほとんどは、首都圏などにある大手企業によるもので、地元企業が主体となっている場合は少ないという実態がある。「都会の会社による発電事業では、地域活性化の効果は限られてしまう。地元の企業が主体になって初めて、太陽光発電事業を地方創生に十分に生かせる」(チョープロの荒木代表取締役)。

 こうした思いがあるなかで、長崎空港隣接地の大型プロジェクトの開発に、使命感を抱くようになっていった。「長崎の空の玄関という、県のシンボルとなる場所だからこそ、そこで巨大事業を地域の企業が担っていく意義が高い」と強調する。

 こうしてチョープロが事業化の意思を固めていく中、長崎県も、貸し出し候補地となっていた約40haのうち、一部(約6ha)を空港関連用地として残し、残り(約34ha)をメガソーラーの用地として貸し出す方針を決めた(図2)。

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図2●空港の中央部に近い土地を残し、太陽光発電向けに貸す
図2●空港の中央部に近い土地を残し、太陽光発電向けに貸す
貸し出し候補地の約40haのうち、上下の画像のそれぞれ中央付近に見える空き地を除く、約36haをメガソーラー用地に(出所:上は千代田化工建設、下は日経BP)
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