海に面し、空港に隣接するゆえの苦労

 EPCサービス事業者は、ソーラーフロンティアの推薦で、千代田化工建設が担当した。千代田化工建設は、石油関連のEPCサービス事業者としての実績が豊富で、ソーラーフロンティア製太陽光パネルを採用する事業者として知られている。

 設計や施工については、関係者は「海に面していること、空港の隣接地であることの苦労に直面した」と口を揃える。

 実際の設計や施工は、元請けの千代田化工建設の下、土木建築担当の西松建設、電気工事担当のきんでんと三宝電機、海底ケーブル担当の住友電気工業、特高変電所担当の三菱電機の5社が担当した。

 平坦な土地といっても、島に立地した空港の隣接地という特殊な場所である。内陸のメガソーラーにはない課題も多かった。

 まず、海底ケーブルの敷設がある(図4)。その総延長の距離は、約11kmに及んだ。まず敷設ルートの設定から苦心した。

図4●海底ケーブルの概要
図4●海底ケーブルの概要
総距離は約11km、敷設ルートの設定から苦心した(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 ポイントは、二つあった。一つは、周囲の漁業や自衛隊のヘリコプターの離発着に影響しないようなルートで敷設すること、もう一つは、そのルートを、敷設しやすく、かつ、最短距離で設定する必要がある。

 海底ケーブルを敷設するために関連先と折衝し、合意を得て、海底の調査を開始した。すると、海底に問題のあることがわかった。

 ケーブルによる送電を損なわないためには、長期間、ケーブルを物理的に保護する必要がある。海底に埋めるのが、有力な手法となる。

 しかし、海底を調べてみると、埋設に向かないことがわかった。ウォータージェットと呼ぶ、水流で海底の砂を撹拌して液状化させ、そこにケーブルが自重で沈んで埋設していく方法を採用することが望ましかったが、想定したルートでは、この手法が使いにくく、適切な手法で敷設できるルートの選定に時間を要した。

 開発費約100億円のうち、この海底ケーブルの敷設に約12億円を費やした。