滑走路付近の「高さ制限」を乗り越える

 滑走路から一定の距離の場所には、航空機が離着陸する時間帯には、一定以上の高さのものを持ち込めないという「高さ制限」(表面制限)がある。飛行場の外周を囲むフェンスから、7%以上の角度に上がる機材などは使えない。

 重量物を運ぶクレーンや、杭基礎を打ち込むための重機は、この規制に抵触するため、場所によって、使えない時間帯がある。こうした条件に配慮しながら施工した(図6)。

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図6●滑走路付近の高さ制限や、地質の制約を克服しながら施工
図6●滑走路付近の高さ制限や、地質の制約を克服しながら施工
重機の使用が制約され、場所によって基礎を使い分ける(出所:日経BP)
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 滑走路側から丘側に向かい、土地は登るようにやや傾斜している。このため、滑走路から離れるほど、この高さ規制に抵触しやすい形状になっている。

 例えば、基礎の打設で制約を受けた。基本的に、H鋼による杭基礎を採用した。杭基礎は、高さのある重機で打ち込む。滑走路から一定の範囲内では、この規制に抵触してしまう。そのため、飛行機の離発着のない夜間に作業した。

 こうした対応が難しかった滑走路近くの場所は、コンクリートによる置き基礎を採用した。ミキサー車は、高さの規制に抵触しないので、日中に作業できる。現地で型枠を組み、コンクリートを流し込んで固めて形成した。

 杭基礎の採用に際し、地質も問題となった。地中約30cmの深さに、固い岩盤があった。そのまま杭基礎を打ち込むと、H鋼が曲がってしまったり、十分に打ち込めない場合があり、工事が難航した。こうした場所では、ドリルで岩に穴を開けてから打ち込んだり、途中まで打ち込んで、その周囲をコンリートで固めることで必要な強度を確保した。

 連系用の昇圧変圧器(キュービクル)から、海底に沈めるまでの送電ケーブルも、同じ理由で地中に埋設できない。金属製のラックに収納し、地上に敷設した。

 また、高さ制限は、パワーコンディショナー(PCS)や昇圧変圧器の設置にも影響した。10t対応のトレーラーで持ち込み、クレーンで吊り上げて下ろすためだ。