PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。出力750kW・直流入力電圧1000V対応機を導入した。PCSの隣に昇圧変圧器を置き、PCSが出力した交流380Vから6.6kVに昇圧した後、発電所内の連系用の昇圧変圧器で66kVに昇圧し、そこから海底ケーブルを通じて連系点に送電する。

 このPCSの隣の昇圧変圧器の半分以上の設置作業が、高さ制限に抵触し、航空機の離発着が終わった夜間の作業となった。

 そもそも、クレーンが制限に抵触するため、そのまま現地に持ち込めず、分割して現場に運び込み、組み立てた。

 昇圧変圧器の設置作業では、想定していなかったトラブルに見舞われた。搬入を予定していた初日(2016年1月)に、長崎で観測史上初めてという大雪が降った。

 昇圧変圧器は、陸路で輸送され、引き返せない地点まで来ていた。しかし、大雪で現場に入れない。現地に近い倉庫に仮置きし、雪が止むのを待って搬入した。

 長崎空港の隣接地ならではの特徴として、敷地に入る作業者の管理にも配慮した。

 メガソーラーの隣接地には、国土交通省の訓練施設「空港保安防災教育訓練センター」がある(図7)。同省の航空局が同センターに関連する敷地を管理している。安全保障上、不審者の侵入を防ぐといった管理が求められる。

図7●奥に見えるのが空港保安防災教育訓練センター
図7●奥に見えるのが空港保安防災教育訓練センター
作業者の出入管理などを厳格に(出所:日経BP)
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 空港の脇からメガソーラーに向かうまで、この訓練施設に向かう道路を使う。そのため、逐次、作業者個人ごとの情報提供や出入時の報告が必要となるなど、一般的な地上設置型の発電所に比べて、厳重な管理が必要になったという。

●発電所の概要
発電所名SOL de 大村 箕島
所在地長崎県大村市箕島(長崎空港隣接地)
敷地面積約34ha
土地所有者長崎県(約6割)、長崎県土地開発公社(約4割)
出力約30MW
初年度年間予想発電量約3700万kWh(一般家庭約7500世帯の消費電力に相当)
発電事業者長崎ソーラーエナジー合同会社(長崎県西彼杵郡長与町)
(チョープロとソーラーフロンティアの折半出資によるSPC:特定目的会社)
EPC(設計・調達・施工)サービス千代田化工建設
 土木担当 西松建設
 電気工事担当 きんでん、三宝電機
 海底ケーブル担当 住友電気工業
 特別高圧変電設備担当 三菱電機
太陽光パネルソーラーフロンティア製「SF165-S」(出力165W/枚、約18万枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(出力750kW・直流入力電圧1000V対応機)
総事業費約100億円
融資(プロジェクトファイナンス)幹事行:みずほ銀行、その他の融資行:親和銀行、十八銀行、佐賀銀行、長崎銀行、長崎三菱信用組合、鹿児島銀行、宮崎銀行、みずほ信託銀行
買取価格36円/kWh(税抜き)
売電先九州電力
着工時期2015年4月
売電開始時期2016年8月1日