大規模な停電・断水が再エネ導入を促す
東日本大震災による被災地は、東北3県という印象が強いが、千葉県も被害を受けた。なかでも香取市の旧佐原地区は、市街地を中心として地震による家屋の倒壊や液状化による道路損壊、上下水道の断水、大規模停電など多大な被害を受けた(図3)。
かつての水郷の情緒を残す町並みも一変し、小野川沿いや香取街道沿いの伝統的な建造物も倒壊の被害を受けるなど、観光収益にも大きな影響を与えている。
香取市の災害復興計画では、農業や商工業、歴史的町並みの再建とともに、災害に強いまちづくりを目指し、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの導入や誘致を掲げた。
これを受け、市では公共施設や市有地での太陽光発電事業の可能性を調査し、5カ所に設置することになった。最大規模となったのが「香取市与田浦太陽光発電所」だった。残りの4カ所は、学校やごみの最終処分場跡地などで、与田浦を含め、総出力はパネル容量で約4.9MW、連系出力で4.25MWに達した。