2市が共同で新電力を立ち上げ
香取市は、太陽光発電のもたらす収益をさらに拡大するため、次の手も打った。成田市と連携した地域新電力の設立だ。
香取市と成田市、そして洸陽電機(神戸市)は7月5日、地域新電力の成田香取エネルギー(香取市)を設立した。香取市の太陽光発電と、成田市の持つごみ発電設備から電源を調達し、今年10月から両市の公共施設に電力を供給する(図6)。複数の自治体が共同で新電力を設立するのは、全国初となる。
成田市は、隣接する富里市と共同で、「成田富里いずみ清掃工場」運営している。同施設は、排熱を利用した出力3MWのごみ発電設備を備えており、そのうち自家消費分を差し引き、約0.6MW分を売電できる。
洸陽電機は、2市が共同で公募した「地域電力会社共同出資者選定事業」の公募プロポーザルに採択され、地域新電力の共同出資者および共同事業者として事業運営に参画する。出資比率は、両市が40%ずつ、洸陽電機が20%となる。
事前の事業性評価では、契約電力1万5000kWで、年間1700万kWhを供給することを想定しており、内訳は太陽光500万kWh、ごみ発電500万kWh、その他・外部調達700万kWhという電源構成を見込んでいる。地産エネルギー比率は約6割となる。
エネルギーの地産地消を達成するとともに、両市にとっては、電気代削減と売電収入の増加という両面から、財政的なメリットがある。成田香取エネルギーは、両市の発電設備から従来よりも高い単価で電気を買い取る一方、両市の施設に対しては、従来よりも安い単価で電力を販売できるめどがたったという。