1枚当たり8分でカバーガラスを分離

 現在、東北地方では太陽光パネル1枚の処理料金は5000~6000円とも言われるが、「低コストのガラス分離技術を独自に開発したことで、半額近くの大幅に安い処理料金で、リサイクル処理を請け負えるめどがたった」(エーシーの大友裕一社長)という。

 カバーガラスを分離する手順は、研磨剤を噴射するブラスト装置の中に使用済みパネルを格納し、カバーガラス表面に研磨剤を高圧で吹き付ける、というシンプルなものだ。1枚当たり8分ほどで、EVAとガラスを完全に分離できるという。

 多様な研磨剤を活用できるのが特徴で、選択した研磨剤によっては、分離したガラスと研磨剤を分離せずに、一緒にセメント材料に利用できる。EVAはセル(発電素子)を挟んでおり、電極に銀を多く含んでいるため、精錬技術を持つリサイク事業者などに有価で販売できるという。

 今回、ミクロンメタルの開発した手法だと、「月2000枚程度の処理量の場合で、初期投資は約1000万円で済み、数千万円もの装置への投資が必要な従来の手法に比べ、大幅に低コストを実現した。この程度の投資規模であれば、地方の企業でも担っていける」(大友社長)。今後、どんな形で各地域にパネルリサイクルを展開していくか、検討している(関連記事)。

●設備の概要
発電所名ハイブリッド発電所米沢
住所山形県米沢市大字李山字南原パイロット六2657-1
発電事業者合資会社・ハイブリッド発電所米沢(出資者・エーシー、ミクロンメタル、ウェステック山形)
設置面積3.8ha
出力1.89MW(連系出力)、約2MW(太陽光パネル容量)
年間予想発電量199万2000kWh
EPC(設計・調達・施工)サービスエヌデック
Q&M(運用・保守)エーシー
太陽光パネル長州産業製(単結晶シリコン型・265W/枚・7744枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(630kW機・3台)
架台北日本サッシ工業製
杭基礎三誠製
着工時期2014年5月
竣工時期2014年11月
買取価格36円/kWh(税別)