重塩害対応でサンパワー製を採用

 太陽光パネルの選定も課題だった。千葉事業所が立地する、海に近い重塩害地域の環境に対応しながら、メーカー保証の万全なパネルを選ぶ必要があった。

 千葉工場では、建物の塗料を工夫するなど、さまざまな塩害対策を採用しているものの、他の地域の工場に比べて、高い頻度で金属製の柱が錆びて腐食することに悩まされている(図8)。

図8●塗装作業中の柱
図8●塗装作業中の柱
塩害対策に優れるポリウレタン系の塗料を三重に塗って対策しているが、このように金属製の柱が錆びる環境に苦労している(出所:日経BP)
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 こうした経験から、パネルの塩害対策には、特にこだわったようだ。

 オムロン フィールドエンジニアリングが、国内外のさまざまなパネルメーカーと交渉した結果、米サンパワー製のパネルが重塩害対策の条件を満たし、採用した。IEC61701の重度6 塩水噴霧試験に合格した製品とする。発電効率が高く、20年間の事業性にも優れていると評価した(図9)。

図9●設置したサンパワー製の太陽光パネル
図9●設置したサンパワー製の太陽光パネル
セル上の電極を裏面に形成しているため、表面全面が黒っぽい外見に特徴(出所:不二サッシ)
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 当初の倉庫に導入した発電システムでは、出力327W/枚のパネルを採用したものの、増設したアルミ製造棟では、出力250W/枚のパネルを設置した。

 同じように出力327W/枚のパネルを採用したかったが、納期がタイトな時期に重なったため、確実に調達できる250W/枚に切り替えたという。

 金具も、重塩害対応を謳い、20年間の保証をつけたカナメ(栃木県宇都宮市)製を採用した。