ABLとリース方式で資金を調達
東京組が、十和田市周辺の積雪地帯に集中的に太陽光発電所を建設したのは、「蒼星の森での順調な発電事業を見て、周辺地域で遊休地を持つ人たちから、太陽光発電所向けに土地を提供したいとの要請が、次々と持ち込まれるようになった」(加藤常務)からだ。
同社は、それに応える形で太陽光発電所を開発してきた。ファイナンスは、みちのく銀行からABL(アセット・ベースト・レンディング、動産・売掛金担保融資)の手法で融資を受けた案件と、三菱UFJリースによるリース方式の案件があるという。
蒼星の森以外の5サイトは、八甲田山の麓から降りた平地で積雪量が少ないため、雪対策も緩和した。設置高は1.5mに下げ、設置角は30度にした。架台の材質に関しては、施工性の良いアルミニウム製に変更した。
太陽光パネルは、蒼星の森と同様、中利テルサン・ソーラー製、PCSは、明電舎製や東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製などを採用した。パネルと架台は、コスト効率の高い中国製にしたが、PCSに関しては、信頼性を重視して日本製とした。
蒼星の森以外で稼働済みの4サイトの運用も順調で、設備利用率は概ね13%を超えているという。白上太陽光発電所で、北側の隣接地に立っていたスギの木が折れてパネルが数枚、破損したり、鳥によると思われる石落としで数枚のパネルが割れたりしたが、雪や風による発電設備の不具合はないという(図10)。
「今年の夏、発電所が稼動して初めて、台風の直撃を受けたため、心配で現地で待機していたが、発電設備に異常はなかった」(加藤常務)。系統電力が停電したことで、1サイトのPCSが停止したが、翌朝には復旧して稼働し、ほとんど影響はなかった。