特に留意したのは、土砂と雨水の流出だった。メガソーラーと川の間には、田んぼがある。メガソーラーの建設にあたって、近隣の田んぼなどに、土砂を一切流さないこと、過剰な雨水の流出がないことが条件だったという。
ただし、敷地内の土は、水はけが悪く、雨が降れば水たまりができやすい。台風や大雨によって、時間あたりの降雨量が多くなる時には、敷地外に流出する恐れが高くなる。
まず、施工時には、造成の進み具合に応じて、適切な位置に沈砂池や調整池を作り、土砂や雨水の流出を防いだ(図3)。
造成の段階によって、土砂や雨水の流れる経路は変わる。このため、こまめに池の位置や大きさを変えていった。造成が進むことで、当初に作った池は必要なくなり、工事中のみ存在していた池もある。
造成は南と北からはじめ、中央に向けて進めた。これも、近隣地域に流出させないための工夫だった。
中央から北や南に向けて進めていった場合、北や南のそれぞれの方向に流出してしまう可能性が高まる。北や南から中央に向けて造成を進めていけば、流れたとしても中央にたまるので、近隣に流れ出す恐れを低くできる。
完成後には、3カ所の大きな調整池が配置されている(図4)。こうして施工時、運用時の状況の違いに合わせて対応策を変え、土砂が敷地外に流れ出ないように徹底している。