敷地外に残土も排水も出さない

 新築した建物は、当初から太陽光パネルを載せることを決めていたため、堅牢な屋外階段を備えている。屋根の上には、接続箱1台と、太陽光パネル168枚、合計約49kW分を設置した(図4)。

図4●屋根上には168枚の太陽光パネルと接続箱1台を設置
図4●屋根上には168枚の太陽光パネルと接続箱1台を設置
出力295Wの太陽光パネル12枚を直列したストリング14本分(出所:日経BP)
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 出力295Wの太陽光パネル12枚を直列接続し、一つのストリングを構成しており、屋根上の14ストリング分の発電電力を、この接続箱に入力する。接続箱からは、建物の下から地中埋設したケーブルを経て、北側の地上に設置された集電箱、PCSに送電する。

 一方、地上には約1125kW分のパネルを設置した。まず、西側の林だった場所では、伐採と造成が必要になった。太陽光パネルの設置工事を効率化するためには、地表を平坦にする必要がある。ただし、すべて平坦にすると、掘削した残土を敷地外に搬出して処分する必要が出てくる。

 敷地外に捨てる残土が生じないように、建物の新築時に掘った残土、さらに、北側の空き地にあった残土まで含めて、西側の林だった場所の造成に使った。技術センタの建設で生じた残土まで含めて使い切り、外部に土を運び出さなかった。

 東西方向に段差を付け、2段にわけて、平坦な土地に造成した。外側は削って低くし、内側は土を盛って高くした(図5)。この造成は、技術センタ内に入居している、子会社の土木会社が担当した。

図5●外側(手前)は削って低くし、内側(奥)は土を盛って高くした
図5●外側(手前)は削って低くし、内側(奥)は土を盛って高くした
建物の建設や林だった土地を削った土を使い切る(出所:日経BP)
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 西側の外周は、林に隣接している。最も影が長い、冬至の日の午後3時でも、林の影がかからない位置に、太陽光パネルを配置した。また、この林の一部の木の枝を切らせてもらったという。

 北側の通路と芝生の広場だった場所は、元々平坦なため、造成せずに太陽光パネルを設置できた。設置高はパネル低部で60cm、設置角は10度とした。

 雑草対策として、クローバーを植えた(図6)。他の雑草の育成を抑える効果があることで知られる。

図6●クローバーで雑草対策
図6●クローバーで雑草対策
場所によって根付き方が異なる(出所:日経BP)
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 クローバーは、しっかり根付いた場所と、予想していたほどには根付かなかった場所がある。こうした場所では、当初予定していたよりも、草刈りの回数を増やす可能性もあるという。

 防草シートは採用しなかった。費用対効果の利点を見いだせなかった上、土の保水効果を落とすことになるので、降雨の際、敷地外に水が流出する可能性を、少しでも抑えたかったためとしている。

 元々、排水機能を備えているものの、その能力を超えた場合、近隣する池に、水が過剰に流れ込むリスクを減らすことを優先した。

●設備の概要
発電所名エクシオ石岡ソーラーファーム
所在地 茨城県小美玉市栗又四ヶ2406番2ほか(協和エクシオ「石岡総合技術センタ」内)
発電事業者協和エクシオ
設置面積約1万5610m2
太陽光パネル出力 約1.175MW
パワーコンディショナー(PCS)出力1MW
年間予想発電量 約130万4072kWh
設計・施工NTTファシリティーズ
太陽光パネル中国・無錫サンテックパワー製(出力295W、3984枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(出力500kW、2台)
工事期間2014年6月~2015年7月
売電開始2015年7月22日