ピーク需要が30kW低減

 提案から3カ月後の5月に着工した。太陽光パネルの設置工事では、屋根の下で働くPFU従業員の労働環境に配慮した。問題となったのは、折板屋根にパネルをボルト締めする際の「音」だった。そこで、パネルの取り付け作業は、土日と祝日に行った。

 4ブロックに分け、事前にクレーンでパネルを屋根に上げるなど、平日にボトル締め以外の作業を進め、土日などに集中的にボトル締めした。金具を取り付ける折板屋根の表面は腐食のリスクがあるため、錆止めを塗るなど、配慮した(図5)。

図5●折板屋根の金具取付部には錆止めを塗った
図5●折板屋根の金具取付部には錆止めを塗った
(出所:日経BP)
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 また、PCSの設置場所に関しても、PFUの事業に影響しないことを優先した。建屋周辺の駐車場を犠牲にせず、敷地の端の法面を造成し、新たにスペースを確保した。

 7月中にはパネルを設置し終え、9月15日から売電を開始した。遮熱効果は、予想以上に大きいことが分かった。夏場の正午には、空調負荷が大きく低減し、ピーク需要を30kW程度も下げる効果があったという。遮熱シートの2倍の省エネ効果になる。加えて、「雨音が静かになり、社員からのクレームも聞かれなくなった」(山本プロジェクトマネージャ)。

 PFUは、年度ごとに環境目標を設定している。温暖化対策に関しては、「前年度の実績と比べ、消費エネルギーを総量で1%削減すること」を掲げる。ここ数年は、事業所の集約などでエネルギー効率が上がり、「総量で1%削減」を達成してきた(図6)。

図6●PFUのエネルギー消費量の推移
図6●PFUのエネルギー消費量の推移
(出所:PFU)
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 効果の大きい省エネ対策が減っていくなか、次の取り組みに悩んでいたが、「今回、屋根上に太陽光パネルを設置したことで、数年分は、エネルギー使用量の総量削減目標を達成できそうだ」と、大田・環境推進室室長は期待する。