積雪によるパネル損傷を防ぐ

 安平町は、北海道内のなかでは相対的に雪が少ないといっても、一冬で最大1mの最深雪を記録したこともある。そこで、パネルの設置角を25度まで傾け、地面からパネル最低部の設置高は1mを確保した。

 また、パネルには、京セラ製の積雪荷重に対応したタイプを採用した。同パネルは、耐荷重性を高めただけでなく、雪が滑り落ちやすく工夫がある。

 パネル上の雪は、日が差すとともに、滑り落ち始めるものの、パネル下部に一部が留まってしまうこともある。その原因は、パネルのフレームとカバーガラスの間に数㎜の段差があるからだ。そこで、京セラ製の雪国仕様パネルでは、アルミ製フレームの切断面を斜めにし、段差に雪が引っ掛かりにくくした。

 加えて、仮にパネル下に落ちた雪がたまって高くなり、パネル最低部まで達してしまった場合を想定し、架台の設計にも工夫した。

 パネルから滑り落ちた雪が高く積もり、パネル最低部に達した場合、それ以上、雪が落ちなくなるだけでなく、パネルのフレームなどの破損につながる恐れがある。雪山が解けて下がっていくに従い、凍結した雪にパネルが引っ張られるからだ。そこで、パネル最低部のアルミ製フレームを鋼製の板でカバーしておき、フレームの破損を防ぐ効果を期待した(図7)。

図7●積雪による損傷を防ぐために鋼製の補強板を採用
図7●積雪による損傷を防ぐために鋼製の補強板を採用
(出所:日経BP)
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 これは京セラからの提案だった。「雪国に設置したパネルに、メーカー保証を付与する場合に、こうした架台設計が必要と説明され、コストアップとなったが、導入することになった」(パスポートの粟田省三常務)という。