周辺2カ所に眺望ポイント

 一般的に、平地に建設したメガソーラーは人の目の高さからは、その広大さをまったく把握できない。そのため、見学用に2階建て程度の展望台を設置することも多い。それでも、最端部のパネルは見えないため、全体像を掴めない。

 その点、「瀬戸内Kirei太陽光発電所」には、南と北の両側に絶好の展望ポイントがある。錦海湾の入り江を埋め立てた干拓地に立地するため、もともと海だった平坦な用地の両側は小高い丘になっている。南側の丘には「牛窓オリーブ園」、北側には「道の駅 一本松展望台」という観光施設があり、そこからメガソーラーを展望できる。

 「牛窓オリーブ園」からの眺望は、東側が山影になっており、メガソーラーの中央から西側がよく見え、ほぼその全面にパネルが敷き詰められている。一方、「道の駅 一本松展望台」からは、西から東方向を見る形になり、東側に敷き詰められたパネル群とともに海と接した堤防、そして、堤防付近に残された広大な緑のエリアが視界に入る(図3)(図4)。

図3●「牛窓オリーブ園」からの眺望
図3●「牛窓オリーブ園」からの眺望
(出所:日経BP)
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図4●「道の駅 一本松展望台」からの眺望
図4●「道の駅 一本松展望台」からの眺望
(出所:日経BP)
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 この広大な緑地帯は、「錦海ハビタット」と名付けた環境保全エリアになっている。錦海湾の干拓地は塩田事業が廃止された後、40年以上経ち、海沿いには雨水と海水の混じり合う塩性湿地となった。ヨシ原、小川、ヤナギ林などの混在する独特の生態系が形成された。そこに生息する動植物への影響を最小限に抑えるため、環境保全事業として、約16haものビオトープを整備し、人が立ち入れないようにした。