新しい郷土の誇りに

 瀬戸内市は、2004年11月に牛窓町、邑久町、長船町が合併して誕生した。牛窓町には、古墳時代の製塩跡である師楽遺跡があり、製塩工程で使われた師楽式土器は、同時代の標識土器になっている。また、長船町を中心とした地域は、中世を通じて全国一の日本刀の生産地で、国宝や重要文化財に指定されている日本刀の約半数は、この地域で造られた。長船町にある備前長船刀剣博物館では、こうした備前刀の歴史を垣間見ることが出来る。

 11月9日の竣工式に参列した衆議院議員の津村啓介氏は、「瀬戸内市の一帯は古代には師楽式土器、中世は備前刀を全国に供給するなど技術やモノづくりの先端地域だった。今後は、日本最大の太陽光発電所で日本の太陽光発電をリードしつつ、再エネを核にした新しい町づくりでも日本の最先端になる」と期待感を示した。

 武久市長は、「将来にわたり、『ここにメガソーラーがあってよかった』『新しい郷土の誇りだ』と思われるようにしたい」と言う。そのためには、単に「日本一の規模」「総額100億円の貸付収入」という利点だけでなく、巨大なメガソーラーを舞台に、次世代のエネルギーシステムの姿を提案し、町づくりの活性化に生かす企画や構想力が試されることになる(関連記事:巨大メガソーラーが完成、試運転を開始)、(関連記事:巨大メガソーラー、パネル設置目前に)、(関連記事:巨大メガソーラーが瀬戸内市に着工)。

●設備の概要
名称瀬戸内Kirei太陽光発電所
発電事業者特定目的会社(SPC)「瀬戸内 Kirei 未来創り合同会社」(米GEエナジー・フィナンシャルサービス、東洋エンジニアリング、くにうみアセットマネジメント、中電工が出資)
総事業費約1100億円
融資三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3行を幹事銀行とした28金融機関が参加したシンジケートローンによるプロジェクトファイナンス(約900億円)
住所岡山県瀬戸内市邑久町尻海4382-3外(錦海塩田跡地)
敷地面積約500haの塩田跡地のうち、約260haに発電設備を設置
土地所有者瀬戸内市
貸付料工事期間は年額1億円、売電開始後は年額4億円、地域振興に関する事業費16億円(総額101億円)
出力太陽光パネル出力・約235MW、連系出力・186MW
着工日時2014年11月7日起工式
完成時期2018年10月1日(商業運転開始)
EPC(設計・調達・施工)東洋エンジニアリング、清水建設
O&M(運営・保守)中電工
太陽光パネル中国トリナ・ソーラー製、中国インリー・グリーンエナジー製(合計約92万枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(630kW機・146台)と米ゼネラル・エレクトリック(GE)製(1000kW機・94台)
接続箱ABB製(約5000台)