最近では、現地でEL検査を実施する企業が出てきてはいる。だが、検査作業の負担を考え、抜き取り検査が一般的で、全量を検査する例は珍しい。
初めて全量をEL検査した約1MWのメガソーラーでは、1カ月以上を要したという。担当者は、この作業に没頭することになる。その後の工夫で、現在では1日に約300枚をEL検査できるようになった。それでも、1MW分の全品検査には約3週間かかるという。
太陽光パネルメーカーとは、パネル納入時の検収条件をあらかじめ決めておく。マイクロクラックに関しては、「一定の長さで45度以上の角度の場合は不良」、「バスバーが起点になっていたり、バスバーを横断していた場合は不良」、「二つのマイクロクラックがクロスしている場合は不良」といった具合である。この判断に、現地でのEL検査の結果を使う。
現地でEL検査し、検収条件に基づいて、「不良」と判定したパネルを返品すると、パネルメーカーは返品の多さに驚くという。最初の納品分の返品率が約20%に上った案件もある。この案件では、再納品分の返品率は約0.5%まで改善した。
発電所名 | 束稲太陽光発電所 |
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所在地 | 岩手県一関市東山町田河津 |
敷地面積 | 約4万m2 |
発電事業者 | エプセム(埼玉県川口市) |
出力 | 約2.2MW |
年間予想発電量 | 約125万kWh |
設計・施工 | エプセム |
調達 | サンデン商事(東京都港区) |
O&M(運用・保守) | エプセム |
太陽光パネル | 東芝製 |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製 |
投資額 | 約6億2000万円 |
売電開始時期 | 2014年9月 |
買取価格 | 40円/kWh(税抜き) |