資金の確保に苦慮

 監視システムの開発が進む一方、束稲のメガソーラーは資金調達で苦労した。東社長は、「サンデン商事なくして、束稲のメガソーラーは実現できなかった」と強調する。

 投資額は約6億2000万円。太陽光パネルは東芝製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製と、コストよりも信頼性を重視して決めた。また、稼働開始時期を2014年3月に設定していたため、1~3月という積雪期に施工する日程になり、投資額は相対的に増えたという。

 事業資金は、金融機関から調達しようと考えた。しかし、どの金融機関も融資には至らなかった。1行のみ、「完成した頃に融資する」という条件で、融資を受けられる見込みが立ち、設備の調達を担ったサンデン商事が発電設備・資材を発注した。

 しかし、その後、この金融機関から、融資の実行は、完成後になることを伝えられた。それでは、発電設備・資材の支払いに間に合わない。そこで、この金融機関からの融資を諦め、サンデン商事からの借り入れに切り替えた。サンデン商事は、その資金をメガバンクから借り、エプセムに貸した。

 買取価格は40円/kWh(税抜き)である。年間発電量は約125万kWhを見込み、年間9000万~1億円の売電収入を想定した。稼動1年目の売電実績は、年間1億円を若干、下回る結果となった。それでも、一般的な水準で見れば、「好調」といえる。

 自社開発した監視システムが真価を発揮するのは、経年劣化などが生じる今後になるが、実は、エプセムのメガソーラー事業にとって、すでに大きな利点をもたらした。

 地方の金融機関2行が、借り換えの融資を希望してきたのである。いずれも建設前には、融資を断られた金融機関だった。1年目の実績に加え、ストリングごとの発電量を分単位で把握でき、履歴も確認できることなどが評価され、融資の条件が有利になったという。このうちの1行から、相対的に有利な条件で融資を受け、借り替えることになった。