東の急斜面は、午前中は比較的、太陽と正対に近くなり、午後になると発電には不利になってくる。束稲のメガソーラーでは、この東斜面の午前中の発電の多さが、全体の発電量を押し上げているという。

 実際、束稲の発電所では、発電量全体の約3分の2を、正午までの発電量が占めているという。東社長によると、「監視システムを導入した案件では、概ね午前の発電量の方が多くなっており日本の太陽光発電所は、東からの日射を優先して設計することが、発電量の最大化に有効かもしれない」と分析する。午後の発電量が比較的少なくなるのは、夏の夕立ちなど、午後から悪天候に変わりがちな傾向が影響している可能性も指摘する。

 金融機関からの借り換えの際、金融機関から紹介されたイー・アンド・イー ソリューションズ(東京都千代田区)によるデューデリジェンス(資産価値調査)の結果でも、監視システムの有効性とともに、東斜面の発電量の多さが特筆されていたという。

 発電開始後に変更したこともある。東の急斜面に並べた太陽光パネルのストリングの構成である(図6)。

図6●東の急斜面の下段は、前の列の影がかかる
図6●東の急斜面の下段は、前の列の影がかかる
影がかからない上段のパネルと、影で発電量が減る下段のパネルを分けるストリング構成に変更(出所:日経BP)
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 束稲のメガソーラーでは、パネルを縦向き2段・7列の14枚を直列に接続し、ストリングを構成している。しかし、東の急斜面では、下段のパネルに前の列の影がかかる時間帯がある。その時間帯には、影がかかって発電量が下がったパネルが半分を占めるストリングの出力に合わせて、PCSが最大電力点(MPPT)制御することになり、通常通りに発電できているパネルまで、出力が下がってしまう。しかも、東の急斜面の発電の全体への寄与が大きい。

 この状態を解消するため、東の急斜面のストリングの構成を、稼動後に変えた。アレイ間をまたぎ、上の段の7枚を、隣のアレイの上の段の7枚と接続するストリングとした。下の段も同じように、隣のアレイの下の段の7枚と接続するストリングとした。フルに発電する上の段と、影の影響を受ける下の段だけで構成するストリングに分け、どちらのストリングもその時点での最大電力を出力できるようにした。