簡易の事務所とトイレが重要

 パネルの清掃や除雪作業には、デッキブラシを使う。パネルに傷が付かないように、ナイロン製の毛で細くて柔らかいものを使っている(図7)。

図7●デッキブラシによる清掃作業
図7●デッキブラシによる清掃作業
(出所:MSM)
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 パネルに積もった雪は、障害者がデッキブラシで雪を上から下に引き寄せて、滑り落としている(図8)。ただ、夜間のうちに積もった雪がパネル上で凍結してしまうことがあり、その場合、簡単に滑り落ちなくなるという。その場合、「凍結した雪に関しては、叩いてまで落とす必要ないことを徹底している」と、楽晴会の中岫優介・館長代理は言う。

図8●デッキブラシによる雪落とし作業
図8●デッキブラシによる雪落とし作業
(出所:MSM)
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 白い雪さえ落としておけば、パネルに日光が届き、発電を始めるとセル(発電素子)の温度が上がって、凍結した雪が融けて、自然に滑り落ちるという。

 パネル下に落とした雪は、保安員が定期的に除雪車を操作して、隣接したアレイ下に除去する。こうしておくことで、パネル下の雪山とパネル上の雪がつながることを防いでいる。こうした除雪作業は、これまでのところ一冬に4回程度、必要になるという。

 雪落とし作業は、重労働にも思えるが、「20度の角度があるので、軽く力を加えれば容易に滑り落ちる。ある程度、落とせば、発電による発熱して自然に融けるので、完璧に落とす必要もない」(中岫館長代理)。見た目ほど、たいへんな作業ではないという。

 また、障害者4人の編成は、6~7人がシフトを組んでいる。3サイトを2チームで担当しているので、メガソーラーO&M作業には12~14人が従事し、交替で担っている。MSMと楽晴会は、こうした作業体制で月60万円、年間720万円で契約している。

 中岫館長代理は、「障害者でも無理なくO&M作業を担えるのは、MSMのサイトには、ユニットハウスの事務所と簡易トイレがあり、休憩や昼食のお弁当などを快適に取れることが大きい」と言う(図9)。メガソーラーのO&M作業の受注に関して、障害者の支援組織から相談を受けることもあるが、「メガソーラー事業者に、こうした施設にコスト負担してくれる配慮がないと、実際に引き受けるのは難しい」(中岫館長代理)と見ている。

図9●ユニットハウスや簡易トイレを設置した
図9●ユニットハウスや簡易トイレを設置した
(出所:日経BP)
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