地域の太陽光を地域で適正処理

 MSMは、ホンダのFCV「クラリティ・フューエル・セル」を導入予定で、希望する企業などに貸与する。将来的には、現在、開発の進んでいる燃料電池駆動のごみ収集車やフォークリフトなどにも、水素を充填することも想定している。

 加えて、東芝の開発した「H2One」のような事業所向けの水素システムを青森県内の企業に提案することも視野に入れている。事業所内の太陽光発電の電気で水素を製造し、圧縮・蓄圧しておき、非常時には給電にも活用するというものだ。

 将来、事業所に燃料電池が普及すれば、メガソーラーで製造した安い水素を発電燃料として、運搬・提供するエネルギービジネスも可能性があると見ている。「水素関連の設備は高度な製造・管理技術が必要になる。そうした付加価値の高い設備設置を地域の企業が担っていくことで、事業機会が広がっていく」と小坂監事は期待する

 一方、太陽光パネルのリユース・リサイクルのラインは、廃棄物処理事業者のループ(三沢市)の戸崎営業所(同市)の敷地内に設置した。同社はMSMの会員企業の関連会社になる。

 太陽光パネルのカバーガラスからバックシートやセル(発電素子)を特殊なブラシで剥離する「PVスクラッチャー」、パネルを細かく破砕する「PVクラッシャー」などを導入した。東芝環境ソリューション(横浜市)の開発した装置だ。年間処理能力は約2万枚(図12)(図13)。

図12●カバーガラスからセル・バックシートをはぎ取る「PVスクラッチャー」
図12●カバーガラスからセル・バックシートをはぎ取る「PVスクラッチャー」
(出所:日経BP)
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図13●セル・バックシートをはぎ取った後のカバーガラス
図13●セル・バックシートをはぎ取った後のカバーガラス
(出所:日経BP)
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