屋根上太陽光の場合、地上設置型と異なり、太陽光パネルを固定した後、裏面からの目視による確認が難しい。屋根上に特有の設置環境が誘発するトラブルとも言える。
これによってケーブルは潰れる。ただし、施工直後には、ケーブル内の銅線が完全に断線したり、ケーブルの樹脂の被覆の絶縁性能が大幅に損なわれたりせず、通常の範囲内で通電している場合もある。このために、使用前自主検査や稼働後の年月の浅い時期の定期点検では、トラブルが顕在化しない場合が多いとみられる。
しかし、稼働してから年月が経ってくると、徐々に断線や絶縁性能の低下が進み、通電の異常として表面化してくる。
エネテクによると、屋根上の太陽光発電設備の点検時に、ストリング(太陽光パネルを接続した単位)内の地絡を発見することは比較的、多いという。これは、接続箱の入力端子を通じた絶縁抵抗値の測定などによって把握できる(図2)。
ここで異常が発見されたストリングについては、地上設置型であれば、ストリングを構成している太陽光パネルのうち、どのパネル内、あるいは、どのパネル間のケーブルに異常が生じているのか、パネルやケーブルごとに調べ、不良箇所を特定していく。ケーブルについては、ほぼパネルの裏面側から点検していく。