「営農型」のようにも見えるが・・・

 アレイ(太陽光パネルの設置単位)を支える支柱は2m程度の高さがあり、架台には、結晶シリコン系の72セル/枚タイプの太陽光パネルが、ほぼ隙間なく設置されている。パネル下に、農業機械や軽トラックなどを収納しておくのに適したようなスペースだ。

 パネルの下で営農を行う、ソーラーシェアリングの場合、パネルの間隔をあけて、1日に数時間は地面に直射日光が当たるにようにするのが普通だ。また、農作業時の効率性に配慮して、パネル架台の外周は開放的にしておき、これにより太陽の間接光も十分に入る。問題となった西原町のサイトは、架台の周囲をブロック塀と生垣でほぼ囲んでいるため、側面からも光が入りにくく、パネルの下は終日、薄暗い状態になっている。

 このため、支柱の高い架台に太陽光パネルを設置しているという点では、ソーラーシェアリングの形式に近いものの、パネル下にほとんど光が差さない点で「駐車場太陽光」に近く、実際に現時点で、パネル下で営農が行われているようには見えない(図2)。

 なお、今回の件に関し、認定取消を受けた事業会社に取材を申し込んだものの、応じてもらえなかった。

図2●パネル下で農業が営まれている様子はない
図2●パネル下で農業が営まれている様子はない
(出所:日経BP)
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